この映画を知ったのは、レンタルしていた「ジュ・テーム…」の最初に入っていた予告版ででした。短く繋がれた映像の中に、戯れるジェーンとセルジュのエロでデカダンな雰囲気と、バイオレンス、養鶏場で飛び立つ鶏の群の中での決闘。それがなんとも格好よくて、予告編だけでこの映画の虜になってしまいました。
そして本編。殺し屋のセルジュは対立勢力(?)に撃たれて負傷。偶然出会ったジェーンに介抱され、当然のように恋に落ちる二人。隠れ家での二人の生活、そこにセルジュの相棒ポールがやってきます。セルジュのことが好きで仕方がないポール。少し、同性愛的な要素もあると思う。男の友情にはこういう部分ってあると思う。憧れとか友情とかそういうのがごちゃ混ぜになって、とにかく親密な男同士の関係。ポールが「俺は生きている!」って鏡に向かって笑っているシーンが印象的だった。きらきらしたポールはでもとても刹那的な雰囲気をもっています。ポールとジェーンのセルジュを巡る微妙な関係もおもしろかった。
そして養鶏場での撃ち合い。この美意識がすごい。「ジュ・テーム…」にも通じるけど、全然キレイなものを映しているわけじゃないのにすごくかっこよく、美しくさえ見えるのです。予告編で始めてみた時はものすごく興奮しました。
やがて足を洗ってジェーンと静かに暮らしたいと言い出すセルジュ。ポールはセルジュを始末するよう上から命じられます。そしてラストのカーチェイスシーン。ポールはセルジュとジェーンの車を追い、ついにセルジュを撃ってしまいます。命令だから殺す、というわけではなく、セルジュを殺さなければならないという内的な動機がある。ポールはどうしてもセルジュを殺さなければならなかった。それはやっぱり前半に書いた二人の関係からきてるんだと思います。
感想書いてたらポールが主役の映画みたいになってしまった。でもポールはすごく魅力的でした。そしてやはりジェーンは脱いでます。
音楽も大好きです。主題歌の「cannabis」は冒頭でセルジュの歌入りが流れますが、私は途中挿入されてる歌なしの方が好きです。サントラがあれば絶対買うのに!
ちなみに原題の「cannabis」は大麻を意味します。
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